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『毒になる親』スーザン・フォワード著(毎日新聞社版)概略
(A)あなたが子供だった時<br>
@あなたの親はあなたの人間としての価値を否定するようなことを言ったり、酷い言葉であなたを侮辱し
たり、ののしったりしたか、あなたを終始批判してばかりいたか。
Aあなたの親はあなたを叱る時に体罰をしたか、あなたを終始批判してばかりいたか。
Bあなたの親はしょっちゅう酒に酔っていたり、薬物を使用していたか。あなたはその光景をみて、頭が
混乱したり、嫌な気がしたり、怖くなったり、傷ついたり、恥かしいことだと感じたことがあるか。
Cあなたの親はいつも精神状態が不安定であったり、身体が不調であったり、そのためにいつもふさぎ込
んでいたり、あなたをいつもひとりぼっちにして放っておいたか。
Dあなたの親はいろいろな問題を抱えていて、そのためにあなたは彼(彼女)の世話をしなければならな
かったか。
Eあなたの親はあなたに対して、何か秘密を守らなくてはならないことを、したことがあるか。あなたに
対してなんらかの性的な行為をしたことがあるか。
Fあなたは親を怖がっていることが多かったか。
Gあなたは親に対して腹を立てても構わなかったか。それとも親に対してそういう感情を表現することは
怖くてできなかったか。
(B)大人としての現在のあなたは
@異性関係を含め、いつも人との関係がこじれたり、いつも相手を踏みにじったり、踏みにじられたりし
て争いになるか。
Aあまり心を開いて人と親しくなりすぎると、その相手から傷つけられたり、関係を切られたりすると思
うか。
Bたいていいつも、人との関係では悪い結末を予想しているか。人生全般についてはどうか。
C自分はどんな人間か、自分はどう感じているか、何をしたいのか、といったことを考えるのは難しい
か。
D自分の本当の顔を知られたら、人から好かれなくなるのではないか、と思うか。
E何かうまくいき始めると心配になってくるか。自分がニセ物であることを、誰かに見抜かれはしないか
と不安になるか。
Fはっきりわかる理由が見当らないのに、時々無性に腹が立ったり、なんとなく悲しくなったりすること
があるか。
G何ごとも完全でないと気がすまないか。
Hリラックスしたり、楽しく時間を過ごすことが苦手か。
Iまったく悪意はなく、人によくしようと思っているのに、気がつくと「まるで自分の親みたい」に行動
していることがあるか。
(C)現在のあなたと親との関係
@あなたの親は未だにあなたを子供のように扱うか。
Aあなたが人生において決定することの多くは、親がそれをどう思うだろうかということが基本になって
いるか。
B親と離れて暮らしている場合、あなたはこれから親と会うことになっている時や、親と一緒に時間を過
ごしたあとで、精神的・肉体的にはなはだしい反応がでるか。
Cあなたは親の考えに反対するのに勇気がいるか。
Dあなたの親は、あなたを威圧したり、罪悪感を感じさせたりして、あなたを自分の思い通りに行動させ
ようとするか。
Eあなたの親は、金銭的なことを利用して、あなたを自分の思い通りに行動させようとするか。
F親がどういう気分でいるかはあなたの責任だと思うか。もし親が不幸だとしたら、それはあなたのせい
だと思うか。親に幸福感を感じさせるのはあなたの仕事だと思うか。
Gあなたがなにをしても親は満足しないと思うか。
Hあなたはいつの日か、親が変わってくれる時がくると思っているか。
◎どれかに心当たりがあるんじゃないでしょうか? その項目が多ければ多いほど、その親は子供にとっての『毒になる親』です。
※子供の反抗や離反は情緒の正常な発達のためのプロセスであるにも関わらず、心の不健康な親は、そのよう
な理解を示すことができません。幼児期から思春期に至るまで、あるいは成人していればなおのこと、子供の離反はおろか自分と考えの違うことすら、自分に対する攻撃と受け止めてしまうのです。そういう親は子供の「非力さ」と、親に対する「依存度」を大きくさせることによって、自分の立場を守ろうとするのです。子供の健康的な精神の発達を助けるのではなく、それと反対に無意識のうちに、それをつぶそうとするのです。しかも困ったことにしばしば本人は、子供のためを思ってそうしているのだと考えていることが多いのです。このように親のネガティヴな反応は、子供の自負心を深く傷つけ、開きかけている独立心の芽を摘み取ってしまうのです。
※『毒になる親』は子供をコントロールしようとする親です。いつになっても真の自立をさせようとしないのです。金銭的な面でも、精神的な面でも親に対しての「依存心」を解かないのです。どのように子供に接するのか、子供は親に対してどうふるまうのか、それが家系的に連綿と続いてきていて、丁度、虐待を受けて育った子供が親になった時に、自分の子供を虐待するようなものです。『子供は親のいうことを絶対にきくべき』『親がいつも正しい』『子供のいうことなど、いちいちきかなくていい』という考えは、『毒になる親』そのものです。『子供は時として親と違う考えを持っても構わない』『親がいつも正しいとは限らない』『子供の意見にもきちんと耳を傾けるべき』さらに『子供が間違いを犯したり、失敗をすることを親は怖れてはならない』と考える親であれば『毒にならない親』といえるでしょう。
◎私ごとになりますが、むしろ《親の考える方向》とは逆に向かう方が健全とさえ私は考えて、子供を育ててきました。親に従順であれば親から見て扱いやすい子供に違いありませんが、先行きが心配になります。
◎こうした親が『毒になる親』のひとつの典型ですが、次はまた違った意味での『毒になる親』です。
※義務を果たさない親。
@親は子供の肉体的なニーズ(衣食住をはじめ、身体の健康に必要としていること)に応えなくてはならな
い。
A親は子供を肉体的な危険や害から守らなくてはならない。
B親は子供の精神的なニーズ(愛情や安心感、常に注目していてやることなど、心の面で必要としているこ
と)に応えなくてはならない。
C親は子供を、心の面でも危険や害から守らなくてはならない。
D親は子供に道徳観念と倫理観を教えなくてはならない。
◎離婚や別居によって義務を果たさない親、あるいは一緒に生活をしながらも義務を果たさない親がいます。
子供は肉体的にはもちろんのこと、心の面でも健康に育てられることは、基本的な権利なのです。
子供は子供らしく生きる権利を有しているのです。小さいうちは無邪気に遊びまわり、のびのびとして自然
なのがよく、何ごとにも幼児期の子供には責任はないのです。しっかりとした愛情のある親なら、子供が育つにつれ、少しづつ責任を与え、心の成長を育み、家事を手伝わせても、子供からほのぼのとした楽しい子供時代を奪ってしまうようなことはないのです。悪意のあるなしに関わらず《したこと》《しなかったこと》の両面で、親は子供に対しての責任をとらなければならないのです。
◎子供の「非力さ」と、親に対する「依存度」を大きくさせることによって、自分の立場を守ろうとする親、
そして義務を果たさない親、いずれも『毒になる親』の典型です。著者はそうした『毒になる親』は家系に関係があると忠告しています。そしてそれをどこかで断ち切らなくてはならないと説いています。そうした家系にあって子供は親がいつか変わると考えていて、結局は家系を断ち切れないまま、また繰り返すことになってしまいます。ですから著者は子供に対して、親の変化に期待はするな、その《家のルール》からの卒業をしろ、とすすめます。
《家のルール》
」父親より偉くなるな。
」親をさしおいて幸せになるな。
」親が望む通りの人間になれ。
」いつまでも親を必要としていろ。
」親を見捨てるな。
そうしたことからの卒業が肝要なのです。また『義務を果たさない親』に対しても、同様に変化を求めてもはじまりません。いずれにしても、どんな親であれ、その親を越えることによって、自分が変われるのです。親の変化を求めないこと、自分が《家のルール》から卒業することなのです。
またそうした親はひとりの人間として見ても、以下のような欠点をもっています。
」自分の周囲がいつの自分の思い通りになっていないと気が済まない。
」いつも自分の周囲をコントロールしようとするが、大抵は自分が最も嫌悪するところの拒絶にあう。<br>
」子供に対しては金銭や権力で、子供の非力さを感じさせたり、依存心を養うばかりでなく、毒のある言葉で傷つける。
◎卒業の必要性とその方法
毒のある親を持ってしまった子供は、おうおうにして、そうした親をかばってしまうことが多いようですし、毒になる親と認めないことが多いそうです。結果として卒業ができなくなり、場合によってはその親の死後も、親の考えに縛られてしまうのです。そうでなくてもほとんどの子供は、そうした親の変化に期待し、同様に卒業ができないのです。
親に変化を求めないことです。親は変わらないことの方が多いですし、親が変わったかどうかはさして問題ではないのです。子供がどう変われるかこそ重要なのです。卒業ができないままでいると、自分の人生を振り返る時になって、自分が本当にやりたかったことをまったくやっていなかったことに気付き後悔します。その結果として人生に充実感を持つことができず、《怒り》《抑鬱》《カンシャク》という後遺症を抱えることになります。
ただし卒業はそうした親への復讐をすることではありませんし、またそうした親を許すことでもありません。復讐をしてみたところで結実するものはありませんが、許容の必要もないのです。許すという行為は心が広くなったようで、一時的には気分がよく感じられますが、結果として却って心をふさぐことになってしまいます。許すのは最後の最後でいいのです。最初から許そうとするのは許すフリでしかないのです。
親からの卒業ができていないと、人生に充実感をもつことができず、結果として《怒り》《抑鬱》《カンシャク》を抱え込み、いつか大きな爆発につながってしまうのです。そうでなくても《怒り》は心の奥深くに押し込まれ、抑鬱症や身体的な病気を引き起こすのです。《怒り》はその人の内部で受難と悲壮な精神に転換されていますから、抑鬱症や身体的な病気を引き起こさなくても、アルコールや薬物の力に頼ったり、大食いやセックスで《怒り》を麻痺させなければならなくなるのです。あるいはことあるごとに、怒りを爆発させ、いつも緊張し、フラストレーションに満ち、疑り深く、なにかというと人と口論するようになります。
卒業の方法は復讐でもなければ許容でもありません。親ときちんと対峙し話しあうことです。そうした時にほとんどの親は自分の過ちを認めようとしないどころか、正当化するものです。まず大抵は自論を防衛するために、相手に対して攻撃的になります。一方、親に論争を挑む側も同様になり、感情的な論争はなにも結実することがありません。それではどう議論すればいいのでしょう。
これは親子間だけの問題ではありません。夫婦間であろうと相手が他人であろうと、感情的になってはいい結果に結びつくことはないのです。言われた言葉に即刻反応してしまっては感情的になりやすいものです。《反応》ではなく、冷静に《対応》することが重要です。相手が感情的に反応しても、自分はそれを冷静に受け止め、一泊置いてから対応するのです。言うのは簡単ですが行うのは難しそうですが、例えば一流の営業マンであれば、クライアントがどんな無理難題を言おうと、まずは《YES》と聞き、それから《BUT》を持ち出し、結果として自分の考えに誘導します。それと同じで、まず相手の言うことに耳を傾け、それを一旦肯定することが肝要です。それでも相手がまったく聞く耳を持たないということもあります。そんな時には時間をかけてゆっくり話しあうことです。それでも親に変化がなければどうかということになりますが、そもそも親の変化を期待すること自体が間違いといっていいようなものですから、話しあい自体がダメでもともとの覚悟が必要なのです。そう思えばかなり冷静に話せると思いますから、反応ではない対応ができると思います。結果がどうであれ、あなたはその話しあいによって、きっと親からの卒業ができると思います。
※親としても子供としても、あなたは自立できた人間なのでしょうか、の判断基準。
@子供には感情表現を自由にさせること。
A親から独立したひとりの人間になること。
B自分の子供時代について、目をそらさずに真実を見つめること。
C子供時代に起きた出来事と、大人になってからの人生とのつながりについて、認める勇気をもつこと。
D親との関係を正直に見つめること。
E親に対して本当の感情を表現する勇気をもつこと。
F現在、親が生きていようが死んでいようが、彼らが自分の人生に及ぼしている支配力とはっきりと対決しそれを減少させりこと。
G自分が人に対して残酷だったり、人を傷つけたり、人をこきおろしたり、人の心を操ったりするような行動をとることがある場合、それを改めること。
H親に負わされた傷を癒すために、適切なサポート救助してくれる人たちをみつけること。
I大人としての自分の力と自信を取り戻すこと。
※あなたは親から卒業できているか、子供はあなたという親から卒業できているか、の判断基準。
(自分が子供として自分の親を考える)(自分が子供の立場に立って自分を検証する)
《親との関係における私の『考え方』》
@親は私の行動しだいで幸せに感じたり感じなかったりする。
A親は私の行動しだいで自分を誇らしく感じたり感じなかったりする。
B親にとって私は人生のすべてだ。
C親は私なしには生きられないと思う。
D私は親なしには生きられないと思う。
Eもし私が本当のこと(例えば、離婚した、中絶した、同性愛である、フィアンセが外国人である、等々)を
打ち明けたら、親はショックで(または怒りのあまり)倒れてしまうだろう。
Fもし親に立てついたら、私はもう永久に縁切りだと言われるだろう。
G彼らが私をどれほど傷つけたかを話したら、私はきっと縁を切られてしまうだろう。
H私は親の気持ちを傷つけそうなことは、何ひとつ言ったりしたりするべきではない。
I親の気持ちは自分の気持ちよりも重要だ。
J親と話をすることなど意味がない。そんなことをしたところで、ろくなことはないからだ。
K親が変わってさえくれれば、私の気分は晴れる。
L私は自分が悪い息子(娘)であることについて、親に埋め合わせをしなくてはならない。
Mもし彼らがどれほど私を傷つけたかを、わからせることができたら、彼らも態度を変えるに違いない。
N彼らがどんなことをしたにしても、親なのだから敬意を払わなくてはならない。
O私は親にコントロールなどされていない。私はいつも親と闘っている。
◎4つ以上あったら、それが自分が子供としての自分の親であれ、自分が子供の立場に立ってみた親としての
自分であれ『毒になる親』の要素充分というわけです。
※《親との関係で私が感じる『感情』》
(1)私は何ごとでも親の期待通りにできないと罪悪感を感じる。
(2)私は親の気分を害するようなことをすると罪悪感を感じる。
(3)私は親のアドヴァイスに従わないと罪悪感を感じる。
(4)私は親と言い争いをすると罪悪感を感じる。
(5)私は親に腹を立てると罪悪感を感じる。
(6)私は親を落胆させたり、気持ちを傷付けたりすると罪悪感を感じる。
(7)私は親のために充分頑張っていないと罪悪感を感じる。
(8)私は親からするようにと言われていたことをすべてやらないと罪悪感を感じる。
(9)私は親の言うことを拒否すると罪悪感を感じる。
(10)私は親に大声を出されると怖い。
(11)私は親に怒られると怖い。
(12)私は親に対して腹を立てるのは怖い。
(13)私は親が聞きたくないだろうと思われることを彼らに言うのは怖くてできない。
(14)私は親が愛情を与えてくれなくなることが怖い。
(15)私は親に反対するのは怖い。
(16)私は親に反対して立ち上がるのは怖くてできない。
(17)私は親が喜んでくれないと悲しい。
(18))私は自分が親を落胆させたとわかったら悲しい。
(19))私は自分が親の生活をよくしてあげられなかったら悲しい。
(20))私は、私が原因で彼らの人生がだめになったと言われたら悲しい。
(21))私は自分の望むことをして、それが親を傷つけたら悲しい。
(22))私は親が私の(夫、妻、恋人、友達)を好きでなかったら悲しい。
(23))私は親から批判されたら腹が立つ。
(24))私は親がコントロールしようとしたら腹が立つ。
(25))私はどのような人生を生きるかについて、親から指図されたら腹が立つ。
(26))私がどう考え、どう感じ、どう行動するかについて、親から口を出されたら腹が立つ。
(27))私は親からああしろこうしろと言われると腹が立つ。
(28))私は親から何か要求されると腹が立つ。
(29))私は親が私を通して自分の人生を生きようとしたら腹が立つ。
(30))私が親の世話をすることを彼らが期待していたら腹が立つ。
(31))私は親に拒否されたら腹が立つ。
◎この項目の中に3分の1以上あったら、それが自分が子供としての自分の親であれ、自分が子供の立場に
立ってみた親としての自分であれ『毒になる親』の要素充分というわけです。
※責任は親にある。
◎親が生きていようが死んでいようが、声を大にして実際に口に出して言うこと。
@親がきみのことを顧みず、放置して粗末に扱ったこと。
A親がきみのことを愛する価値がない人間のように扱ったこと。きみが親に愛されていないと案じたこと。
B親から残酷な言葉や思いやりのない言葉であからかわれたこと。
C親から酷い言葉で口汚くののしられたこと。
D親自身の不幸。
E親が自分で抱えている問題。
F親が自分の問題について何もしなかったこと。
G親がアルコール中毒であること。
H親が酔ってしたこと。
I親がきみに暴力を振るったこと。
J親がきみに対して性的な行為をしたこと。
◎こうしたことをすべてやり終え、もう1度、自分を振り返ってみると、多分自分が卒業できたことを実感できるのではないでしょうか。
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