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瓦その2

瓦を使ったデザインを楽しんだことは「瓦その1」で話した。

ただ、妻は昔から鬼瓦に興味と感心があったらしく、鬼瓦のことになると、とたんに目が輝きだす。

手前の鬼瓦は妻の実家を取り壊したときのもの。
奥の赤っぽい鬼瓦は三条市で開かれた骨董市で買ってきたもので安田瓦の古い様式のもの。今ではこのような赤い瓦は普通作っていないそうだ。いずれにしても価値的にはたいしたものでは全くない。

この古い色合いと様式の瓦を求めて、ルーツで安田町まで出かけた。
そこでは多くの瓦製造業者の廃業という厳しい現実があった。


鬼瓦に興味を持ったのは、おそらく手塚治虫の名作「火の鳥」の影響ではないだろうか。
専門家から見ると、気になる点がいくつかあり、時代考証に粗漏がある、とされているが(日本の美術391「鬼瓦」 山本忠尚著/監修 文化庁・東京国立博物館ほか 至文堂刊p.46)、妻も私も「火の鳥」の鬼瓦の描写の迫力に圧倒され、感化を受けていたことは間違いない。

気になる点と指摘をした先の著者も、この点は認め、「世間からあまり注目されることのなかった鬼瓦を題材に取り上げ、これに息を吹き込んだいただいたことには大いに感謝しなければならない」と結んでいる。

いずれにしても、昔の人の、ものに込める想い、精神の深遠さ、そしてそれを具現的させ、表面に現れでたときの力強さは、軟弱な現代人は遠く及ばない。
そういったものに強く惹かれる。

瓦は私たちのあこがれである。