yk-House DesigN 金子靖・一級建築士事務所 Online Archives 2003

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・・・間取りは住み人の関係である・・・

現代日本住宅の典型的な間取りは玄関ホール中央型
ハウスメーカーや建売の間取りによく見られます
玄関ホールに入ると、そこを中心にLDK、和室、各個室、水廻りが
放射状に取り囲んでいます。

この間取りの利点は問題点が無いこと
あらゆる家族関係・来客との関係に対応し
軋轢(あつれき)を生じさせません

ただ、問題点がないことが問題だぁ、と思うことがあります。

この間取りは、別な視点で見ると“家庭内アパート”とも
言えませんか?

玄関から個室に誰にも気づかれずに
直行できることは本当にいいことでしょうか?



昔の家は玄関からまず居間(茶の間)に入っています
茶の間を通らなければ個室にたどり着けないのす
町屋形式(三条でも本町〜一ノ木戸のあたりとかよくあります)でも
座敷・茶の間の脇を通らなければ奥へいけない形式です

今でも、こども部屋はリビングから入るという
間取りを使う場合があります

そこでは、必ず人間関係が発生します
その関係が嫌で現代ではセンターホール形式になったのですが
ほんとうにそれでいいのかなぁ?



今、試験的に提案されている間取りは
各個室に玄関がついています
個人が外部(社会)とつながるのは自由ということです
来客もリビングではなく、まず自分の個室へ招きます

ただしこの提案では、トイレ・風呂へ行くためには
リビングダイニングを通り抜けなければ行けないようにしてあります
意図的に人間関係が発生するように建築的に仕組んであるわけです

現在・過去・未来と間取りは変わってきていますが
人間関係と必ずかかわるということは変わっていません

間取りは使い勝手も大事ですし、
人間関係にかかわる見えない要素も重要です

どう考えますか?
間取りの概念図▼



[ ▲ 現在の一般的間取り ]




[ ▲ 昔に習った間取り ]




[ ▲ 個人社会型の間取り提案 ]
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